こんにちは!最近「推理マトリックス」という形式のパズルを解き始めた鈴木です^^
作業としては簡単なはずなのに、全体を把握しようと思うと存外に頭を使うもので、今年の大みそかは家族で難問に挑戦してみたいです!
さて、3週間にわたってご紹介をしてきた工場の内部監査についてですが、今回の記事では最後の「監査報告」について、詳しく見ていきたいと思います。
どれだけ有意義な監査を行ったとしても、「次に活かしていく」ことをしなければ全くもって無駄になってしまいます。
会社にとって次に活かしていく、意味のある監査にするためにも、監査を行った後の報告のポイントについて、しっかり見ていきましょう。
内部監査の目的
先週、先々週と渡ってご紹介してきた内容でもありますが、内部監査を行う目的は、現在の社内ルール・マニュアルの「問題点や改善のヒントを発掘」し、「会社全体を改善」していくことにあります。
この目的を達成するためには、社内の現状を偽りなく把握・報告することと共に、報告を受けた責任者や経営者にそれをしっかり理解してもらい、改善につなげていきやすいような工夫が求められます。
2種類の内部監査報告書
内部監査報告書には、監査全体の実施結果をまとめた「実施結果報告書」と、監査上不適合があった個所を一つずつまとめた「不適合報告書」があります。
監査結果がまったく問題なく改善点もゼロ!という場合はよいのですが、残念ながらそのような場合はほとんどなく、不具合点や改善点、問題点はたくさんあるものです。
それらを一つ一つ改善していくのがこれからの課題になっていくのですが、不具合点の中には改善が早急に行われるべき重要性の高いものから低いものまで、様々ですよね。
そのため、監査報告書には重要度や証拠など、報告を受けた経営者が判断しやすいような材料を盛り込んでいくとよいでしょう。
次の項目からは、それぞれの報告書について、作成する際のポイントをご紹介していきます。
実施結果報告書作成のポイント
「実施結果報告書」は行われた監査がどのような結果だったかを報告します。
不具合や指摘事項を細かく報告ではなく、全体で見た際の結果を要約して伝える、総評的な内容にしていきましょう。
具体的には、
・自社マネジメントシステムの適合性(決まり通り実行されているか)
・自社マネジメントシステムの有効性(それによって効果は出ているか)
・自社マネジメントシステムの妥当性(本当に現状のシステムは妥当か)
を判断できるようにまとめていけると良いと思います。
例えば、マネジメントシステムの適合性を理解しやすく報告するために、部門別の不適合の発生割合や、その分布をグラフを用いて表記する。
マネジメントシステムの有効性を報告するために、システム導入前と比べた不具合品の個数の推移を表にする、といった工夫が挙げられます。
不適合報告書作成のポイント
「不適合報告書」は発見された不具合や指摘事項(改善点)がどのような内容のものだったかを報告します。
ここで重要になってくることは、報告を受けた経営者に、不具合の正しい内容が伝わるよう、事実を客観的に報告することです。
なるべく具体的に、証拠となる資料を添えて資料を作るようにすることで、報告を受ける方もより正確に社内の現状を把握できるでしょう。
また、その不具合が重大なことなのか、軽微なことなのか、判断材料を提供することも有効です。
逆に、やってはいけないこととして挙げられるのは、
・あいまいな表現を使う
・最終的な良し悪しのみの報告で、どこがどのように問題だったのかわからない
・報告者の主観が入っていて正確性に欠ける
といったことです。
監査の準備や実施段階においても紹介しましたが、ルールが守られているかいないかの〇×ではなく、ルールの「どの部分」が「なぜ」行われていなかったのか、またそれによって「どんな支障」が出るのかを、わかりやすく報告するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
せっかく効果的な内部監査を実施しても、最終的な報告で正しく伝わらなかったら、その後の改善や適切な指示が行われず、効果が薄くなってしまいます。
監査員の育成と、監査を行う現場、そして報告を行う経営者全体で連携を取り、効果のある内部監査を行って、ISO社内の改善に役立てていきましょう。
コチラの記事も参考にしてくださいね!
▼効果的な内部監査のポイント【実践編】