こんにちは!エクシールの今井です(^^)/
本日はリスクアセスメントについてお話していきます。
リスクアセスメントとは?
リスクアセスメントとは職場における危険性や有害性等の調査のことです。
また、その結果に基づいた対策を検討し実施していく一連の手法のことも指します。
事業者は調査の結果に基づいて適切な労働災害防止対策を考える必要があります。
労働安全衛生法では、「危険性または有害性などの調査及びその結果に基づく措置」として、製造業や建設業などの事業者は、リスクアセスメントおよびその結果に基づく措置の実施に取り組むことが努力義務とされています。
リスクアセスメントの流れ
リスクアセスメントの流れについては、厚生労働省から「危険性または有害性等の調査等に関する指針」が公表されています。
リスクアセスメント及びその結果に基づいた措置の実施手順は以下のとおりです。
① 事業場のあらゆる危険性又は有害性を洗い出し、特定する。
特定した危険性又は有害性によって災害が発生するまでの過程を予測していきましょう。
上記を特定するための情報源は、前年度の災害発生状況や、ヒヤリ・ハットの事例、安全衛生目標・計画の達成評価などが挙げられます。
「〇〇するとき、〇〇をしたので(危険性又は有害性に近づく)、〇〇になる(災害が発生)」または、「〇〇なので、〇〇をして(危険性又は有害性に近づく)、○○になる(災害が発生)」と表現しましょう。
例:菓子製造中に生地を混ぜる段階で異物を発見したので、機械を止めずに異物を除去しようとして、機械に指が挟まれた 等
② ①による労働災害(健康障害を含む)の重篤性(災害の程度)及びその災害が発生する可能性の度合を組み合わせてリスクを見積る。
リスクには程度があり、大きいリスクほど、死亡事故や重篤な負傷を負ってしまう可能性、また、発生する可能性が高くなります。
リスクを見える化することで、対応する優先度が見えてきます。
主にマトリクス法や数値化法などがありますが、今回は下記の表のように3段階法の加算式を活用してみます。
③ ②の見積りに基づくリスクを低減するための優先度を設定した上で、そのリスクを低減するための措置(リスク低減措置)を検討する。
②で見積もったリスクの数値に対して優先順位を付けます。
優先順位Ⅴが最も優先順位が高く、Ⅰが最も優先順位が低いです。
④ ③のリスク低減措置を実施するとともに、その結果を記録する。
リスクの優先度に従ってリスク低減措置を実施します。
リスクの低減措置には決まった手順があります。
(1)法定事項 …
リスク低減措置として法令で定められた事項(優先順位に関係なく基本的に必ず実行する必要がある。)
(2)本質的対策 …
設計・計画段階での危険性・有害性の除去・低減対策 / 危険な作業を廃止するなどの作業方法の変更 / 新規設備の導入
(3)工学的対策 …
ガード・安全装置・インターロック等の装置の設置によって物理的に危険を回避する
(4)管理的対策 …
作業手順書やマニュアルの整備 / 立入禁止措置 / 教育訓練 / ばく露管理
(5) 個人用保護具の使用 …
保護服や保護マスク、安全靴など着用
1~4でリスクが除去又は低減できなかった場合に実施
(1)は必ず実施し、(2)ができない場合は(3)、(3)ができない場合は(4)といったように、(1)から検討するという手順です。
⑤ リスク低減措置の記録・見直し
リスクアセスメントの結果や低減措置の内容は、記録に残して保管しましょう。
労働災害を防ぐノウハウが蓄積されていき、次回のリスクアセスメントで有効活用ができます。
リスク低減措置を行ったことによってどのような結果になったのかを見直すことで、措置によって異なった結果が出たり、危険性を生み出している可能性もあります。
①から⑤を繰り返すことによって安全衛生を改善していくことができます。
まとめ
いかがでしたか。
リスクアセスメントは工場でよく聞く単語ですが、手順がはっきりとあることをご存知でしたか?
継続的にPDCAサイクルを回していき、労働災害が起こらない安全な職場にしていけると良いですね。
<参考・引用>
リスクアセスメントの進め方、書き方、そして事例まで|(一財)中小建設業特別教育協会
https://www.tokubetu.or.jp/risk_assessment.html#3-1
職場のあんぜんサイト:リスクアセスメント[安全衛生キーワード]
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo01_1.html