こんにちは、エクシールの鷲見です。
前回、『プラスチック資源循環促進法』についてご紹介しました。
↓前回の記事はこちら↓
プラスチック削減のための取り組みの一例として、バイオマスプラスチックの導入が推奨されています。
今回は、バイオマスプラスチックについてお話してまいります。
バイオプラスチックとは
バイオプラスチックとは、バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックの総称です。
■バイオマスプラスチック
再生可能な植物由来の資源を利用して作られたプラスチック
■生分解性プラスチック
使用後は微生物等によって水と二酸化炭素に分解されるプラスチック
従来のプラスチックは、石油やガス由来の資源から作られています。自然界で分解されにくいため、使用後は再生プラスチックとして活用、もしくは人の手で廃棄、焼却処分を行います。
しかし、ポイ捨て等によって適切に処理されなかったプラスチックは、紫外線や風の影響を受けながら細かく粉砕されて自然界に残存し、生き物に悪影響を及ぼす海洋汚染等を引き起こしてしまいます。
これらの問題を解決するために、従来のプラスチックからバイオプラスチックへの移行が進められています。
バイオマスプラスチックをくわしく
■原料
・トウモロコシやサトウキビの油脂や糖、廃食用油等
■種類
バイオマスプラスチックは大まかに分けて2種類あります。
・全てバイオマス由来の原料でできたプラスチック
・バイオマス由来の原料と石油化学由来の原料を組み合わせたプラスチック
■問題点
・従来のプラスチックに比べて価格が高い
・食糧や燃料にも用いられる素材を原料とするため原料を十分に確保できない恐れがある
また、バイオマスプラスチックは、全てが生分解性を持つわけではありません。種類によっては、埋め立てや従来のプラスチック同様リサイクルによって処理する必要があります。
生分解性プラスチックをくわしく
■原料
・トウモロコシやサトウキビの油脂や糖
・化石資源由来のナフサ
■種類
・紫外線によって光分解するプラスチック
・水や水蒸気によって加水分解するプラスチック
・微生物によって生分解するプラスチック
・太陽や熱によって酸化分解するプラスチック
■問題点
・分解に時間を要する
・従来に比べて耐久性・機能性が劣る
・酸化分解するプラスチックは分解されたものがマイクロプラスチック※化する懸念がある
※マイクロプラスチック:直径5mm以下のプラスチック
バイオプラスチックの他にも代替できる素材
従来のプラスチックから代替できる天然由来のものをいくつかご紹介します。
紙
木を原料としているためエコ素材として注目されています。
最近では、耐水性や耐油性に優れた素材が開発され、お菓子の包装やお弁当容器、ストローにも使用されています。
セルロース成形品
セルロースとは食物繊維の一種です。
生分解性を持つため、紙同様ストローや容器等の用途でプラスチックからの代替が進められています。
セルロース成形品の例としては、不織布、フィルム、マイクロビーズが挙げられます。
石灰石
株式会社TBMが開発した「LIMEX」という素材は、石灰石を主原料としています。
紙やプラスチックの代わりとしての使用が期待されています。
公式サイト:株式会社TBM(https://tb-m.com/limex/)
まとめ
今回は、バイオプラスチックについてご紹介しました。
バイオプラスチックは、主に植物由来の原料でできたバイオマスプラスチックと使用後自然の力で分解できる生分解性プラスチックの総称です。従来のプラスチックの代替品として期待が寄せられ実用化が進んでいますが、コストや原料の種類、入手のしやすさ等でまだまだ課題もあります。
また、プラスチックによる環境汚染問題には人的要因もあり、代替品に移行すれば解決するわけではありません。私たち一人ひとりが使用する責任を持ち、プラスチックの処分方法や扱い方について考えながら行動することも大切ですね。
<参考>
環境省「バイオプラスチックとは?」:https://plastic-circulation.env.go.jp/
環境省「バイオプラスチック導入ロードマップ」:http://www.env.go.jp/recycle/plastic/bio/pdf/bioplasticRoadmap_210329.pdf
日本サニパック株式会社「生分解性プラスチックとは?」:https://www.sanipak.jp/