公開日: 2022年7月28日 - 最終更新日: 2024年9月25日

森林破壊の世界と日本の現状は?対策と私たち個人にできること

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こんにちは!エクシールの清水です。

動植物や私たちの暮らしに森林破壊は大きく影響します。国によって森林破壊の原因が異なり、全世界共通ではありません。今回の記事では、森林破壊の現状についてお話ししていきます。

 

※この記事は2022年7月28日に公開した記事ですが、リライトに必要な文言等を追記、修正して再度公開しました。

 

 

森林の働き

森林破壊という言葉を聞いたことがある方がほとんどだと思いますが、森林にどんな働きがあるのかご存じでしょうか。森林破壊とは、人間が行う森林伐採や地球温暖化、森林火災などで森林が消失してしまうことです。

森林には以下のような働きがあります。

・生態系のバランス維持(多様な植物、動物、微生物の生活の場となる)
・二酸化炭素の吸収と酸素の供給(地球温暖化防止)
・天然のダム(雨水を蓄え、地中に浸透させることで地下水を補給し、河川流量を安定させる)
・土砂保全(木の根が土壌をしっかりと固定し、風や水による土壌の浸食や流出を防ぐ)
・資源(木材やキノコ、果物等の食料、薪やバイオマス燃料)を育む

どれも生態系への影響、私たち人間への影響も出ています。森林が減少したことで、二酸化炭素の吸収量が少なくなり、地球温暖化の問題が大きくなりました。

次に、森林破壊による世界と日本の現状をお話しします。

 

森林破壊による世界と日本の現状

世界の森林減少率(1990年→2020年)

・森林率(%)…約1.4%📉

・森林面積(ヘクタール)…約1億7,750ヘクタール📉

森林率を見てみると1990年→2020年で1.4%減少しています。あまり多くないと感じますが、森林面積は約1億5,000ヘクタール以上失われ、毎年平均592万ヘクタール失われたということになります。

これは1分間につき約2.4個分の東京ドームが失われているイメージです。

 

日本の森林減少率(1990年→2020年)

・森林率(%)…約66.0%キープ

・森林面積(ヘクタール)…約11万ヘクタール

日本は、66.0%の森林率をキープしています。

森林破壊が起こっていないように感じますが、日本は国産木材ではなく、外国産木材を低価格で輸入しているので間接的な森林破壊に加担しています。

 

森林破壊による地球環境の影響

大気汚染

森林には、大気中の有害な汚染ガスを吸収し無害化したり、葉にはほこりなどを吸着し大気を浄化する機能があります。光化学スモッグの原因となる物質(オキシダント)は、葉の表面に触れるだけで分解が進み、光合成能力が低下した汚れた葉でも大気浄化の機能は低下しません。
大気を浄化している森林が減少し続けると、大気中に大量の汚染物質が漂い、酸性雨が増加して、土や水が汚染されます。そして、草木が枯れ、生態系にも大きな悪影響を及ぼします。

地球温暖化や自然災害

森林は、光合成によって大気中にある二酸化炭素を減らす役割を担っています。もし森林が破壊が起きたら、温室効果ガスでもある二酸化炭素を吸収できなくなり、地球温暖化は急速に加速します。そして気流や雨量の気候変動を引き起こします。森林火災や海面上昇などを引き起こした場合、私たちへの影響は暑さで生活しにくくなるだけでなく、海に沈む地域が増えることにもなりかねません。
また、森林によって雨水がろ過されて水質が守られていましたが、森林がなくなると水質も守られなくなります。

生態系の変化

現在地球上の森林面積は、陸地の面積の約3割を占めており、森林には全生物の5~9割が生息しているといわれています。森林伐採と森林破壊が同時進行していくと、それに比例するように減少または絶滅する生物が増えていきます
また、森を住処とする動物だけでなく、寒い地域に住む動物にも悪影響があります。森林がなくなり地球温暖化が進行すれば、南極の氷が今以上に溶けてしまい、南極の生き物(シロクマやペンギン)のエサや住処がなくなったり、内陸でも飲み水がなくなることが考えられるため、生態系は大きく崩れてしまいます。

 

森林破壊の現状に対する取り組み

世界での取り組み

上記のような事態を避けるために世界で行われているのは、持続可能な開発目標であるSDGs「15. 陸の豊かさを守ろう」という項目です。
他にも違法伐採に対し、衛星観測データを用いて違法で伐採が行われていないか森林を監視したり、各国で罰則を設けたりして取り締まりをしているそうです。
また、地域住民が参加する形で森林の管理を行い、得られる利益を住民に分配する手法「コミュニティフォレストリー」によって、地域経済の安定や生物多様性に対する地元民の理解を促し、森林を守る対策もとっています。

日本での取り組み

日本が取り組んでいる違法伐採への対策のひとつとして、インドと連携をし、衛星データを活用することで伐採状況の把握、木材の調達から破棄までの追跡が可能な技術開発を行っています。

また、日本政府は2001年4月から「グリーン購入法」、2017年から「グリーンウッド法」を施行しました。

グリーン購入法
製品やサービスを購入する際に、公的機関が率先して環境への負担の少ない商品を選んで購入するための法律

グリーンウッド法
伐採国で合法に伐採された木材の流通を促進することで木材の違法伐採を抑制するための法律

他にも、荒れ果ててしまった山を修復する治山技術や海岸砂丘林の技術を他国に伝えて技術支援をし、森林環境の改善に貢献しています。

個人での取り組み

森林認証マークがついた製品を購入する

森林認証とは、森林が適切に管理されていることを第三者機関が認証し、その森林から伐採された木材や木材製品に認証マークをつける制度です。これは、違法伐採の木材かどうかを見分ける方法とされます。

森林認証には以下の3つがあります。

FSC認証(森林管理協議会)
PEFC認証(PEFC森林認証プログラム)
SGEC認証(緑の循環認証会議)

木材製品などを購入する際は、認証マークがついたものを選ぶように心がけましょう。

・マイバッグの持参
・古紙回収への協力
・保全活動への参加 など

 

まとめ

いかがでしたか?
森林伐採などによる森林破壊は、生態系を壊したり地球温暖化を引き起こしてしまいます。私たちが個人でできることを積極的に取り組んでいけると良いですね。

 

▽参考サイト
森林破壊は地球や人間にどのような影響を与える?原因と対策とは – ONE ECO PROJECT
森林伐採への対策~世界・日本・そして個人からできること~|アピステコラム|冷却・防塵・放熱など熱対策ならアピステ

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ウレタンゲルというやわらかな素材を扱った工場向けの商品を製造・開発する、株式会社エクシールに勤めています。海外向けのサイトを担当しており、国内外の製造者の方々へ新商品の紹介やご提案の仕事をしています。工場で働く皆様へ衛生管理の考え方や最新の情報を記事にしていきます!私ごとですが寒い時期の温泉がだいすきです。
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