公開日: 2025年1月31日

食品ECとは?その概要と始めるべき理由

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こんにちは!エクシールの清水です。

今回のテーマは【食品EC】についてです。
近年、オンラインショッピングの普及とともに食品EC(電子商取引)が注目されています。食品ECとは、インターネットを通じて食品を販売・購入するビジネスモデルのことです。消費者がスマートフォンやパソコンから簡単に食品を注文できるため、利便性が高まる一方で、食品業界にとっても新たな収益モデルとしての可能性を広げています。

本記事では、食品ECのメリットやデメリット、成功させるためのポイントについて解説します。

 

 

日本の食品ECの現状

日本の食品業界におけるEC化率は、他の物販分野と比較して低い水準にあります。
経済産業省の報告によれば、2023年の食品、飲料、酒類分野のEC化率は4.29%であり、物販系分野全体のEC化率9.38%と比べても遅れを取っています。

しかし、食品、飲料、酒類のEC市場規模は2兆9,299億円と大きく、前年比で6.52%増加しており、食品EC市場には今後さらなる成長の余地があると考えられます。

特に、都市部を中心に短時間で商品を届ける「クイックコマース」の拡大が進んでおり、大手ECプラットフォーム事業者の参入などで盛り上がりを見せています。

一方、世界全体のEC化率は2023年に19.4%と報告されており、日本のEC化率はこれと比較して低い状況だといえます。

 

 

食品ECのメリット

食品ECの導入には、多くの利点があります。

① 消費者にとってのメリット

食品ECは、日常の買い物を効率的にするための強力なツールです。以下に、消費者が享受できる主な利点を挙げます。

手軽に購入できる
自宅や外出先からスマートフォンやPCを使って簡単に注文が可能なため、特に忙しい方や高齢者にとっては便利なサービスです。

24時間利用可能
24時間いつでも購入できるため、実店舗の営業時間に縛られず、深夜や早朝でも好きな時間に買い物ができます。忙しい現代人にとって利便性が高いといえます。

多様な商品ラインナップ
地域のスーパーでは手に入りにくい特産品や海外食品など、幅広い選択肢を提供できます。

配送サービスで負担軽減
重い荷物を持ち運ぶ必要がなく、特に大容量の注文時に便利です。

 

② 事業者にとってのメリット

食品ECは、事業者にとっても新たな可能性を広げる手段となります。以下は主な利点です。

販路の拡大
オンラインでの販売により、地元の顧客だけでなく全国・世界中の顧客をターゲットにできます。これにより、新規顧客の開拓が期待できます。また、小規模ビジネスでもブランド認知度を高めることが可能です。

店舗運営コストの削減
実店舗を持つ必要がなく、固定費が抑えられます。店舗運営にかかる人件費や光熱費が削減可能です。

データ活用によるマーケティング
顧客データを蓄積し、購入履歴や嗜好に基づき、ターゲットに合わせた商品提案や広告配信ができます。

在庫管理の効率化
オンライン販売により、需要予測や在庫の最適化がしやすくなります。

 

 

食品ECのデメリットと課題

一方で、食品ECには特有の課題も存在します。

① 賞味期限・鮮度管理の難しさ

食品は、他の物販商品と比較して賞味期限が短く、鮮度管理が重要です。
特に生鮮食品の場合、配送中に品質が低下するリスクがあるため、クレームリスクが高まる可能性も考えられます。

配送中の温度管理や鮮度維持が重要になるため、冷蔵・冷凍配送網の整備や、配送スピードの向上が求められます。

 

 

② 配送コストの負担

食品は温度管理や迅速な配送が求められるため、配送コストが他商品より高くなりがちです。
配送にかかるコストが大きく、消費者と事業者のどちらがコストを負担するかの調整をしなければなりません。また送料無料サービスを提供する場合は利益率に影響が出ることもあります。

購入単価を上げる工夫や、地域ごとに物流網を最適化することが求められます。

 

 

③ 返品・廃棄リスク

食品は返品が困難であり、廃棄ロスが生じることがあります。
配送時に破損やご配送などで消費者とのトラブルが発生し、食品ロスとなることがあります。

発送前の品質チェックや、返品ポリシーの明確化をする必要があります。

 

 

④ 食品表示や規制への対応

食品は法律で表示が義務付けられており、ECにおいても適切な情報提供が求められます。
食品衛生法や各種認証(HACCP、ISOなど)への対応が必要であったり、消費期限表示や成分ラベルの適正記載が求められます。

商品情報のデジタル管理や、専門チームの配置で対応します。

 

 

⑤ 消費者の信頼構築の難しさ・競争の激化

実際に手に取って選ぶことができない食品は、消費者が品質に不安を感じやすいです。
また、大手ECサイトや既存ブランドとの競争が激しく、新規顧客の獲得におけるハードルが高いため、独自性のある商品やサービスがないと埋もれる可能性が上がります。

商品レビューの活用品質保証制度の導入が重要です。

 

 

食品ECを成功させるためのポイント

食品ECを成功させるためには、以下の点に注意する必要があります。

信頼性の確保
サイトのデザインや情報の充実、口コミの活用により信頼性を高めます。また、安全性を重視した食品管理体制のアピールも大切です。
商品差別化
地方特産品や独自レシピの商品など、他では買えない魅力的な商品を提供します。サステナブルな取り組み(エコ包装など)で差別化することも可能です。
効果的なマーケティング
SNS広告インフルエンサーを活用してブランドを広めます。リピーターを増やすためのポイント制度やサブスクリプションモデルの検討もできます。
顧客対応の強化
チャットボットやカスタマーサポートで迅速な対応を実現します。他にもクレーム対応を丁寧に行うことで信頼を維持できます。また、ECが普及していない地域や高齢者層のために、電話注文対応や簡易なECサイトの設計も重要です。

 

 

まとめ

食品工場の衛生管理は、企業の基盤を支える重要な要素です。日々の小さな取り組みが、安全で信頼される製品づくりにつながります。従業員全員が衛生管理の意識を共有し、実践する環境を整えましょう。

 

▽参考サイト
【2024年版】EC化率をプロが徹底解説|BtoCからBtoB、CtoCまで
【2024年最新版】EC化率の現状は?コロナ禍後の動きを業種別トピックスと共にご紹介|TOPPANクロレ
拡大するEC市場(世界) | 分断と協調-岐路に立つ国際ビジネス – 特集 – 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ

 

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ウレタンゲルというやわらかな素材を扱った工場向けの商品を製造・開発する、株式会社エクシールに勤めています。海外向けのサイトを担当しており、国内外の製造者の方々へ新商品の紹介やご提案の仕事をしています。工場で働く皆様へ衛生管理の考え方や最新の情報を記事にしていきます!私ごとですが寒い時期の温泉がだいすきです。
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