公開日: 2025年3月14日

食品工場のペーパーレス化|徹底解説!

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こんにちは!エクシールの清水です。

今回のテーマは【食品工場のペーパーレス化】についてです。
食品工場における業務の効率化や品質管理の向上を目的として、ペーパーレス化が注目されています。従来の紙を使用した管理方法には多くの課題があり、デジタル化を進めることで業務の最適化が可能となります。

本記事では、食品工場におけるペーパーレス化のメリットや課題、導入方法について解説します。

 

 

ペーパーレス化とは

ペーパーレス化とは、電子化などによって紙の使用をなくすことを指します。 特に、ビジネスにおいては、これまで紙で運用されていた帳票・書類・資料・記録などを電子化して活用し、業務効率化やコスト削減を図ることをペーパーレス化と呼びます。

食品工場ではHACCP記録や作業指示書、点検表など、多くの書類を電子化することで、業務の効率化とデータの一元管理が実現できます。

 

 

食品工場におけるペーパーレス化のメリット・デメリット

一体どんなメリット・デメリットがあるのか、早速見ていきましょう。

① メリット

ペーパーレス化にはさまざまな利点があります。コスト削減や作業効率の向上など、具体的なメリットを見ていきましょう。

コスト削減
紙の印刷費用や保管コスト、管理にかかる時間や労力などの時間的・人的コストを削減できます。特に大量の帳票を扱う食品工場では、長期的に大きなコスト削減効果が期待できます。

作業効率の向上
デジタル化することで、情報の入力や検索、共有が容易になります。紙の帳票を探す手間が省け、確認したい書類の検索も簡単になるため、探すだけの無駄な時間を最小限にすることができます。
また、リアルタイムでのデータ管理も可能です。

ヒューマンエラーの防止
手書きによる記入ミスや記録の紛失を防げます。データ入力時に自動チェック機能を導入すれば、誤入力のリスクも低減できます。また、資料自体にパスワードをかけることもできるため、情報漏洩のリスクも低くなります。

トレーサビリティの強化
食品業界ではトレーサビリティ(追跡可能性)の確保が重要です。ペーパーレス化により、原材料や製造工程のデータを一元管理し、迅速に追跡できるようになるだけでなく、誰でも、いつ、どこにいても内容を確認できるようになります。

 

② デメリット

一方で、ペーパーレス化には導入費用や従業員の適応といった課題も存在します。これらのポイントを事前に把握し、適切な対応を考えることが重要です。

 システム導入費用
印刷代を節約できる反面、デジタル化を進めるためのシステムや端末の導入にはコストがかかります。長期的な視点で見るとコスト削減効果が期待できますが、例えば作成した紙の資料を全てデータ化するとなったらどうでしょうか。金銭的コストだけでなく、時間的・人的コストについても同様にかかることを肝に銘じておきましょう。

従業員のITリテラシー向上
デジタルツールの導入に伴い、従業員のITスキル向上が求められます。ITに不慣れな人にとっては不便に感じられるかもしれません。適切な教育やサポート体制を整えることが成功のカギとなります。

法規制や監査対応への影響
食品工場では、各種規制や監査に対応する必要があります。電子データの取り扱いや保存方法について、法的要件を確認しながら進めることが重要です。

故障などの影響
電子機器は必然的に故障などのリスクがあります。常にバックアップを取って、不測の事態に備えておくようにしましょう。

 

 

具体的なペーパーレス化の方法

ペーパーレス化を進めるためには、さまざまな手法があります。工場の運用に合わせた適切な方法を選択することが成功の鍵となります。

記録・チェックリストのデジタル化
HACCP記録や衛生管理記録を電子化し、タブレット端末やPCで入力できるようにします。これにより、記録の検索や管理が容易になり、業務の効率化が期待できます。

電子署名・ワークフローの導入
作業指示や承認フローをデジタル化し、紙ベースでの確認を不要にします。これにより、承認プロセスがスムーズになり、業務の迅速化が図れます。

IoTやセンサー技術の活用
温度や湿度の管理を自動記録し、リアルタイムでの監視を可能にします。データの自動取得により、正確な記録が保たれ、管理の手間が削減されます。

 

 

成功事例や導入のポイント

実際にペーパーレス化を導入した食品工場では、記録の検索時間が大幅に短縮され、監査対応の効率化が実現しました。また、タブレット端末を活用することで、現場作業員の記録業務が簡素化されるなど、多くの成功例が報告されています。

導入の際は、まずは従業員に対して、ペーパーレス化がどれだけ必要かを理解してもらう必要があります。次に経営層を中心に必要性を理解してもらうことによって、ペーパーレス化実現のメリットを理解してもらいましょう。

ですが、いきなり全てをペーパーレス化し、データ化してしまうことは、従業員にとってはハードルが高いので、段階的に進めることがポイントです。優先順位をつけて順にペーパーレス化していきましょう。
細かい工程としては記録の電子化から始め、次にワークフローやデータ管理の自動化を進めることで、スムーズな移行が可能になります。

\ 成功事例 /

株式会社ニチレイフーズ では、生産記録のデジタル化を推進し、リアルタイムでのモニタリングを可能にしました。これにより、出来高や歩留りなどの生産指標の可視化に成功し、業務効率の向上を実現しています。

ジャム製造で知られるアヲハタ株式会社では、生産記録の電子化と自動集計を導入し、紙帳票の削減と業務効率化を達成しました。

デリカフーズ株式会社は、品質検査における紙帳票を年間6,700枚削減し、ペーパーレス化による効率化を実現しています。

 

 

まとめ

食品工場のペーパーレス化は、業務効率の向上やコスト削減、品質管理の強化に貢献します。ただし、導入には費用や従業員のITスキル向上といった課題もあるため、慎重に計画を進める必要があります。デジタル化の第一歩として、小規模なシステム導入から始めるのも一つの方法です。

食品工場の未来を支えるペーパーレス化を、ぜひ積極的に検討してみてください。

 

▽参考サイト
ペーパーレス化
食品工場でのペーパーレス化・稼働状況可視化の成功事例 | 現場帳票電子化ソリューション「XC-Gate」
ジャムの製造・品質検査で紙帳票を年間6,700枚削減した事例 | 現場帳票電子化ソリューション「XC-Gate」
食品製造業の備品管理・衛生管理記録の電子化製鋼事例| XC-Gate(エクシーゲート) | 現場帳票電子化ソリューション

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ウレタンゲルというやわらかな素材を扱った工場向けの商品を製造・開発する、株式会社エクシールに勤めています。海外向けのサイトを担当しており、国内外の製造者の方々へ新商品の紹介やご提案の仕事をしています。工場で働く皆様へ衛生管理の考え方や最新の情報を記事にしていきます!私ごとですが寒い時期の温泉がだいすきです。
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