こんにちは!エクシールの今井です。
新型コロナウイルスの影響で休日はずっと家にこもっています( 一一)
友人たちとオンライン飲み会をしたのですが、コスパもいいし、移動も必要なくて最高でした!
さて、本日は「保税工場」についてお話してきます。
関税について知る
まずは、保税を知る前に関税について知っておきましょう。
関税とは、海外から物を輸入するときにかかる税金のことです。
これは、高価な国産品と低価格な輸入品をそのままの価格で販売すると、国産品が売れなくなるため、双方の売れ行きに差をつけないために税金を上乗せすることで、価格の格差を縮める効果があります。
関税は輸入する国の企業が払うこととなっています。
消費者や輸入者にとってはそのままで売ってほしい気持ちもありますが、価格に差が付くことで国内産業が衰退してしまい、結果的に経済悪化を招いてしまいます。
例えば、国産の牛肉と輸入品の牛肉の価格差が大きく開いてしまうと、輸入品ばかりが売れてしまうため、日本の酪農農家は大打撃を受けてしまうのです。
よって、関税は国内の産業を守るための仕組みだということが分かります。
保税工場とは
日本では、「保税地域」という、1ヶ月間関税や消費税がかけられるのを保留できる地域があります。
保税地域は、通常、貨物が到着する港や空港の近くにあり、税関の輸出許可・輸入許可が下りるまで、一時的に貨物を保管しておくための地域です。
保税工場とは、保税地域内にある工場で、輸入品を外国貨物のまま加工をすることを税関長が認めた工場のことです。
保税工場で加工したのち、輸出することで、関税がかかりません。
例えば、海外から材料を輸入し、材料を国内で加工し、加工品を海外へ輸出するという流れの中で、本来であれば輸入した時に関税がかかってしまいます。
日本は加工品の原材料の多くは海外から輸入しているため、国内産業を守るための関税がかかることによって、輸出した商品は価格が高くなり国際競争で日本の商品が負けてしまう恐れがあるのです。
また、税関の許可が下りてから材料が手元に届くまでに時間がかかるなどといった問題もあります。
保税工場であれば保税地域内で作業ができ、関税が免除されるので、企業は時間短縮やコスト削減の面で貿易のハードルが下がり、消費者は安価で商品を買うことができます。
保税作業のために保税工場に貨物を置くこと、または、保税工場で輸入した貨物を保税作業に使用することが承認されてから、2年間作業をすることができます。
期間中は関税や消費税がかからないので、この期間中に加工して輸出することになります。
さらに長い期間作業したい場合は、延長を申請することもできます。
保税工場は海外進出を考える企業にとって非常に有効な制度ということが分かりますね!
まとめ
保税工場とは、関税や消費税がかからないまま輸入品を加工して輸出できる工場のことです。関税がかからないことで、国内のメーカーは海外進出に踏み出しやすく、同じ品質の商品がより安く販売できるようになりました。
さらに、手元に原材料が届くまでの期間も短縮されるため、すぐに作業ができるなどのメリットもあります。
海外へ販路を広げたい企業は、ぜひ検討してみてください。
<参考>
保税地域の概要|税関 Japan Customs
https://www.customs.go.jp/hozei/
首相官邸ホームページ
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/hearing_s/140520siryou04_1.pdf
関税とは?簡単に言うと?図解でわかりやすく!|日本と愉快な仲間たち
https://japanandworld.net/economy/2611/
保税工場研修会(資料)|公益財団法人 日本関税協会
https://www.kanzei.or.jp/moji/moji_files/pdfs/201311-2z.pdf