こんにちは、エクシールの鷲見です。
今回、半導体の意味や半導体はどのような物に使われているのかできるだけ分かりやすくご紹介してまいります。
はじめに、電気を通すことができるかの区分として、導体・絶縁体・半導体に分けられます。
■導体:電気をよく通す物質
■絶縁体:電気をほとんど通さない物質
■半導体:導体と絶縁体の中間の性質を持つ物質
導体・絶縁体とは
導体は電気をよく通す物質、絶縁体は電気をほとんど通さない物質を指します。
電気の通りやすさは、自由電子の有無によって決まります。
電子は、物質内で原子と結びついていることがほとんどですが、中には原子から離れて物質内を動き回ることのできる自由電子が存在します。この自由電子が移動することで、電気が流れます。
物質内の自由電子が多いのが導体、ほとんどないのが絶縁体です。
導体には、鉄、アルミニウム、銅、金などの金属類などが分類されます。
加工性、耐熱性に優れている、軽量である、安価で入手しやすいなどの理由から、ケーブルや高圧電線に使用されます。ちなみに金属の中で最も伝導率が高いのは銀です。
絶縁体には、ゴム、ガラス、プラスチック、磁気、合成樹脂、木などが分類されます。
電線のように、銅やアルミニウムなどの導体を絶縁体で覆い電流が外部に漏れることを防ぐために用いられることもあります。また絶縁体は、完全に電気を通さないわけではありません。耐えられる上限以上の電圧が物質にかかると、絶縁状態を保てず電流を流します。
半導体とは
半導体とは、導体と絶縁体の中間の性質を持つ物質を指します。
普段は絶縁体ですが、温度が上昇した時と不純物が添加された時に導体となります。
半導体の中でも純度が高い半導体(真性半導体)は伝導率が低いですが、真性伝導体に不純物を任意の量添加することで、比較的低温でも電気を通しやすくします。(不純物半導体)
半導体の代表的な例として、シリコン(ケイ素)が挙げられます。
シリコンは、地球上で酸素に次いで二番目に多い元素です。資源が多く入手しやすい、加工も容易である点から幅広く使用されます。
半導体の性質を活かして作られたもの
電流を通す、通さないをコントロールできる特徴を活かし、半導体は日常生活の中で様々な製品の部品に使用されています。
その例をいくつかご紹介してまいります。
トランジスタ
トランジスタとは、電気を流すためのスイッチです。
トランジスタは増幅作用とスイッチング作用の役割を担っています。
増幅作用は、小さな入力信号を特性はそのままに大きくすることです。スイッチング作用は、電気の流れのON/OFFの切り替えを行います。
IC(集積回路)
一つの基盤に多数の微細な電子部品を配置し、機能を持たせた電子回路の総称です。
後にご紹介するCPUもICに含まれます。
通勤に使うICカードやクレジットカードは、情報の記録や計算をするための機能が組み込まれたICが内蔵されています。ICが莫大な量の情報をコンパクトな形で保存できるからこそ、あらゆる電化製品を小型サイズで作ることができます。
CPU(中央演算処理装置)
CPUはコンピューターの部品の一つです。
私たちが使用しているパソコンの頭脳とも呼ばれ、プログラムの命令に従った計算や、プログラムを理解して他の装置への指示出しを行っています。
LED(発光ダイオード)
電気を流すと発光する半導体です。
かつては白熱電球や蛍光灯が使われていた照明器具や信号も、今ではほとんどがLEDに切り替わっています。LEDの色は構成する元素の種類によって決まります。
まとめ
電気を通すものが導体、通さないものが絶縁体、中間の性質を持つのが半導体です。
半導体の、条件によって電気の流れを制御できる性質が、身近な電化製品や自動車、医療現場などありとあらゆる分野で役立っています。
<参考>
株式会社村田製作所「電子部品のはたらき」:https://www.murata.com/ja-jp
日本ポリマー株式会社「何をどれだけ含めば不純物半導体?真性半導体との違いや純度の話」:https://nihon-polymer.co.jp/company/
電気設備の知識と技術「導体・半導体・絶縁体の特徴」:https://electric-facilities.jp/